当ブログは主に「帝國陸海軍関連の軍跡(遺構・戦跡・石碑など)」・「英霊顕彰施設」を紹介していますが、
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なお、紹介する軍跡は資料不足から漏れ・誤認等もあると思いますのでお気付きの点があれば、ご教示頂ければ幸いです。

第二海軍衣糧廠 岡山支廠

岡山市北区伊福町に所在する県立岡山工業高校は第二海軍衣糧廠 岡山支廠の跡地にあります。
第二海軍衣糧廠 岡山支廠 O 倉庫 北西から(岡山)
▲県立岡山工業高校内に遺る第二海軍衣糧廠 岡山支廠の建物

【探索日時】
平成26年4月9日






遺構について
⑳ 第二海軍衣糧廠 岡山支廠
大正15(1926)年6月、岡山市上伊福(現、北区伊福町)に備作製絲㈱ 岡山工場が設立、昭和13(1938)年10月1日、備作製絲㈱は片倉製絲紡績㈱に合併されます。
昭和16(1941)年2月20日、『蠶絲業統制法』の施行(3月12日)を前に片倉製絲紡績㈱は経営合理化のため岡山工場を含む18ヶ所の工場閉鎖を計画、増大する軍衣・糧食の需要に対応すべく生産設備拡張を計画していた呉海軍軍需部の作業場として岡山工場を呉海軍経理部に売却します。

呉海軍建築部は旧岡山工場の設備を増設・改築し、10月1日、呉海軍軍需部 岡山作業所が開設、軍衣の製造を開始します。

昭和17(1942)年10月1日、大阪警備府麾下に第二海軍衣糧廠(姫路)が開設され、呉海軍軍需部 岡山作業所は大阪警備府に移管され、第二海軍衣糧廠 岡山支廠に改称します。
衣糧廠は被服に加え糧食の生産も想定していましたが、生産設備の建設を進めるなか、昭和20(1945)年8月15日、『大東亞戰爭終結ノ詔書』を拝し、16日、停戦を迎えました。

9月21日、6月29日の岡山大空襲により庁舎が焼失し、山下國民學校に移転していた岡山県庁、県教育庁、岡山地方事務所等が岡山支廠の庁舎に移転してき、敷地内に県会議事堂が新築されます。
昭和32(1957)年3月19日、新岡山県庁舎が岡山市内山下に竣工、7月、県庁機能は新庁舎に移転、昭和34(1959)年、旧岡山支廠に岡山市南方から県立岡山工業高校が移転し現在に至ります。
第二海軍衣糧廠 岡山支廠
▲第二海軍衣糧廠 岡山支廠 現状

O 建物
岡山工業高校の敷地内に遺ります。
停戦時、工場64棟、その他18棟(疎開工場含む?)があった第二海軍衣糧廠 岡山支廠ですが、この建物が現在遺っている唯一のものです。
先述した様に岡山支廠は、備作製絲、及び片倉製絲紡績の設備を転用し、さらに新たな設備を新築して整備されていきましたが、当該建物がどの段階で建設されたか不明です。
第二海軍衣糧廠 岡山支廠 O 倉庫 南西から(岡山)
▲高校敷地内(南西)から
 現在は高校の倉庫として使用されており、今後も継続して使用予定だそうです。

第二海軍衣糧廠 岡山支廠 O 倉庫 西側入口(岡山)
▲西面の北側入口

第二海軍衣糧廠 岡山支廠 O 倉庫 西側入口 (2)(岡山)
▲西面の南側入口
 庇の大きさから入口が拡張されている様です。

第二海軍衣糧廠 岡山支廠 O 倉庫 北東から(岡山)
▲北東から
 高校の外周道路ギリギリに建っているため、外からも見えます。

第二海軍衣糧廠 岡山支廠 O 倉庫 南東から(岡山)
▲東面近影

第二海軍衣糧廠 岡山支廠 O 倉庫 東側入口(岡山)
▲東面にある入口
 当時は木製の庇が付いていた様で木材が遺ります。

第二海軍衣糧廠 岡山支廠 O 倉庫 東側窓(岡山)
▲東面の窓
 窓は全て面格子が付いています。

第二海軍衣糧廠 岡山支廠 O 倉庫 屋根上の浄水設備(岡山)
▲建物の屋上全面には浄水施設と思われる仕切りがあります。

第二海軍衣糧廠 岡山支廠 O 倉庫 屋根上の浄水設備 (2)(岡山)
▲屋上の仕切り近影
 見えづらいですが、水を汲み上げ流す鉄管も遺ります。


い 第二海軍衣糧廠 岡山支廠之碑
岡山工業高校の敷地北東隅に昭和52年9月25日に建立されました。
揮毫は第2代支廠長・新井克己主大佐です。
第二海軍衣糧廠 岡山支廠 い 第二海軍衣糧廠岡山支廠之碑(岡山)

※岡山工業高校の許可を得て立ち入っていいます。
 お忙しい中、ご案内して頂いた教頭先生にこの場を借りてお礼申し上げます。



第二海軍衣糧廠 岡山支廠
昭和16(1941)年2月10月、呉鎭守府(日比野正治中将)は軍衣・糧食の需要増に対応すべく呉海軍軍需部の生産設備拡張のため、呉海軍経理部により『蠶絲業統制法』(昭和16年3月12日、施行)に対処し閉鎖予定の岡山市上伊福(現、北区伊福町)の片倉製絲紡績㈱ 岡山工場(昭和16年2月27日、閉鎖)を買収、呉海軍建築部により設備を増設・改築し、10月1日、呉海軍軍需部 岡山作業所を開設(前田仁三郎主大佐)、軍衣の製造を開始します。

昭和17(1942)年3月、大阪海軍経理部は海軍衣糧廠設置のため、同じく閉鎖された姫路市北条町(現、姫路市南駅前町)の片倉製絲紡績㈱ 姫路蠶種製造所を買収(昭和18年6月7日、隣接する同社姫路製絲所も買収し拡張)、9月8日、海軍省は「勅令第六百四十五號『海軍衣糧廠令』」に基づき、これまで各鎭守府、及び警備府麾下の各軍需部が管掌していた被服及び糧食、並びにその材料及び原料の生産、加工、購買、保管、研究、実験、及び調査を行う官衙として海軍衣糧廠の新設を決定します。

10月1日、大阪警備府麾下に第二海軍衣糧廠(姫路)が開設(ほか第一海軍衣糧廠(品川)が開設)、呉海軍軍需部岡山作業所は大阪警備府に移管され、第二海軍衣糧廠 岡山支廠(薄井正臧主大佐)に改称します。

昭和19(1944)年8月23日、「勅令第五百十八號『學徒勤勞令』」が施行、第一・第二岡山、清心、就實、真備、山陽各高等女學校の学校報国隊が生産に加わります。

7月、我が国はマリアナ諸島を失陥、米軍による本土空襲の本格化が予測されるなか、9月、岡山支廠は上道商業組合倉庫、邑久商業統制組合(以下、商統)倉庫、鐘淵紡績西大寺工場、牛窓高等女學校、片上國民學校、瀬戸倉庫、中國銀行林野支店、勝間田工場、中國銀行勝間田出張所、苫田倉庫、津山支庫、久米商統倉庫、御津商統倉庫、真庭倉庫、阿哲商統倉庫、上房商統倉庫、済生保育園、一宮商統倉庫、吉備青年學校、矢掛被服工業、井原工業、三和被服工場、中國銀行倉庫、大塚被服、笠岡商統倉庫、岡山被服加工、三宅製服所、白石倉庫、竹村綿業、玉野商統、巨瀬製作所、水島倉庫、玉島倉庫、楠戸倉庫、中國銀行井原支店、花畠公会堂、正織興業岡山工場、同茶屋町工場、清心高等女学校他民間人住宅3ヶ所に生産設備、製品、原材料の疎開を開始します。

衣糧廠は被服に加え糧食の生産も想定しており、生産設備の建設を進めるなか、昭和20(1945)年8月15日、『大東亞戰爭終結ノ詔書』を拝し、16日、停戦を迎えました。
停戦時の構成は支廠長・新井克己主大佐をはじめ士官3、特務士官3、准士官2、下士官5、判任文官3、雇員154、庸人1,570名でした。

停戦に伴い学校報国隊・女子挺身隊・応徴士など雇員、庸人に賃金、退職金、旅費、配給物資を支給し即日勤務を解除、判任文官以上により第二海軍衣糧廠岡山支廠残務整理員(新井克己主大佐)を編成、残務整理を開始、9月21日、6月29日の岡山大空襲により庁舎が焼失し、山下國民學校に移転していた岡山県庁が岡山支廠に移転してきます。

10月23日、岡山に進駐して来た米第6軍第24師団により各分工場、倉庫が接収され、岡山支廠の保管していた被服類は戦災者・復員者への支給用、戦災復興作業用として岡山市、福山市等に、密針(ミシン)は生産に当たった各高等女學校に教育用として、材料は民間会社等に移管し残務整理が完了、12月、復員完結します。


主要参考文献
『岡山市史 戦災復興編』 (昭和40年 岡山市役所)

『岡山県郷土部隊史』 (昭和41年 岡山県郷土部隊史刊行会)

『片倉工業株式会社三十年誌』 (昭和26年 片倉工業株式会社調査課)
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Author:盡忠報國
大阪在住、遂に40代になってしまった男児です。

 明治開国以降、幾多の国難に立ち向かった先人達。
 光輝ある精強・帝國陸海軍が各地に築いた国防・軍事施設、そして祖国の弥栄を願い悠久の大義に生きた殉国の英霊の志に触れるべく訪問した顕彰・慰霊施設を紹介するとともに、戦後歪められた先人達、国軍・軍人の名誉を回復する事を目指し記述しています。

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