当ブログは主に「帝國陸海軍関連の軍跡(遺構・戦跡・石碑など)」・「英霊顕彰施設」を紹介していますが、
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なお、紹介する軍跡は資料不足から漏れ・誤認等もあると思いますのでお気付きの点があれば、ご教示頂ければ幸いです。

福山聯隊區司令部 ・ 福山憲兵分隊

戦国時代、織田信長と不和になった室町幕府最後の将軍・足利義昭が滞在した事で知られる福山市に福山聯隊區司令部、及び福山憲兵分隊がありました。
福山聯隊區司令部・福山憲兵分隊 エ 門柱(移設) 南東から(福山)
▲カトリック福山教会に移設・保存されている門柱

【探索日時】
平成20年7月27日





歩兵第四十一聯隊 関連諸施設配置
陸地測量部(明治43測図・大正14修正)(福山)
▲『大日本帝国陸地測量部地形図50福山近傍』(明治43測図・大正14修正)

歩兵第四十一聯隊(現在)全体(福山)
▲現在の地図に範囲を転写

① 歩兵第四十一聯隊 兵営
② 福山陸軍病院
③ 福山陸軍練兵場
④ 福山聯隊區司令部
⑤ 福山憲兵分隊

⑥ 福山陸軍射撃場
⑦ 福山歩兵作業場(福山陸軍練兵場)
⑧ 福山陸軍墓地
※緑文字が当記事の紹介施設


遺構について ※青字は地図にリンクしています
(数字、アルファベット等の遺構配置は上掲地図参照)
④ 福山聯隊區司令部
明治21(1888)年5月14日、勅令第二十九號『大隊區司令部条例』が公布、尾道大隊區が制定され、6月1日、廣島縣御調郡尾道町(現、尾道市)に尾道大隊區司令部が開庁します。
明治29(1896)年4月1日、勅令第五十六號『聯隊區司令部条例』によって尾道大隊區司令部は尾道聯隊區司令部に改編されます。
明治40(1907)年9月17日、歩兵第四十一聯隊は新設第十七師團への隷属転移、福山町への衛戍が決定します。
明治41(1908)年7月、福山町の新兵営が竣工した事に伴い尾道聯隊區司令部は福山町に移転、福山聯隊區司令部に改称します。
昭和2(1927)年9月21日、増築のため歩兵第四十一聯隊兵営内に移転、12月31日、元位置に移転します。
昭和17(1942)年3月29日、福山聯隊區司令部は復帰、事務は廣島聯隊區司令部が継承しました。

福山聯隊區司令部復帰後の経緯は不明ですが隣接の福山憲兵分隊に移管されたと思われます。
停戦後の経緯も同じく不明で、他の軍施設同様「接収→大蔵省→市・民間売却」の経緯を辿ったと思われます。

昭和23(1948)年8月1日、跡地に福山教会が建設、献堂式が行われ、昭和29(1954)年4月、同一敷地内に聖園幼稚園が開園、現在はカトリック福山教会となっています。
福山聯隊區司令部・福山憲兵分隊 福山~歩兵第四十一聯隊(現在)(福山)
▲遺構の配置

エ 門柱
カトリック福山教会南西角に移設されています。
因みに元々この辺りにあり、門は同一敷地内に隣接していた福山聯隊區司令部と福山憲兵分隊で共用していました。
福山聯隊區司令部・福山憲兵分隊 エ 門柱(移設) 南西から(福山)
▲移設されている門柱

福山聯隊區司令部・福山憲兵分隊 エ 門柱(南西側)(移設) 東から(福山)
▲柵内から見た門柱

福山聯隊區司令部・福山憲兵分隊 エ 門柱(南西側)(移設) 東から (2)(福山)
▲門柱は両方とも蝶番が遺ります。

福山聯隊區司令部・福山憲兵分隊 エ 門柱(南西側)(移設)(福山)
▲左側の門柱に遺る門札の跡

福山聯隊區司令部・福山憲兵分隊 エ 門柱(北東側)(移設)(福山)
▲右側の門柱に遺る門札の跡
  何故か門上部の意匠が左右で若干異なります。


⑤ 福山憲兵分隊
明治39(1906)年、陸軍省は安全保障の観点から2個師團(第十七、第十八師團)の増設を決定、明治40(1907)年10月7日、『勅令第三百二十二號』により『憲兵条例』別表を改正し岡山憲兵隊、及びその管下に福山憲兵分隊の設置を決定します。

新設師團設置の情報を得た廣島縣深安郡福山町(現、福山市)は聯隊の誘致を開始するとともに、用地買収資金の寄付を募ります。
明治40(1907)年9月17日、陸軍省は『陸軍管區表』・『陸軍常備團隊配備表』を改正、第十七・第十八師團の新設及び編合を定め、第五師團(広島)隷下の歩兵第四十一聯隊は新設第十七師團へ隷属転移、福山町への移駐が決定します。

福山町は野上村の兵営、練兵場、衛戍病院、射撃場、作業場、聯隊區司令部、憲兵分隊、埋葬地用地を買収し陸軍省に献納、臨時陸軍建築部廣島支部の指揮・監督のもと施設建設が開始されます。

明治41(1908)年5月4日、岡山憲兵隊本部とともに福山憲兵分隊が開庁します。

大正14(1925)年5月1日、第十七師團司令部の復帰に伴い岡山憲兵隊本部も復帰、福山憲兵分隊は廣島憲兵隊管下に移管され、昭和20(1945)年3月30日、『勅令第百六十二號』により『憲兵令』が改正され廣島憲兵隊は中國憲兵隊司令部(長濱彰大佐、広島)に改編され、福山憲兵分隊は中國憲兵隊司令部直轄となります。

8月15日、『大東亞戰爭終結ノ詔書』を拝し、16日、停戦を迎え、10月5日、陸普第千九百六十三號『憲兵ノ復員等ニ關スル件」』に基づき、11月1日、復員完結します。

停戦後の経緯は聯隊區司令部と同じく不明で、他の軍施設同様「接収→大蔵省→市・民間売却」の経緯を辿ったと思われます。

昭和23(1948)年8月1日、跡地に福山教会が建設、献堂式が行われ、昭和29(1954)年4月、同一敷地内に聖園幼稚園が開園、現在はカトリック福山教会となっています。


主要参考文献
『福山市史 下巻』 (昭和53年7月 福山市史編纂会)

『平和を求めて』 (平成26年3月 福山市人権平和資料館出版)

『官報』
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こんばんわ

いつもブログ更新を楽しみにしております。

来年の春くらいまでに広島県の探訪を
企図しておりまして、その候補として
福山市を検討していたので
ここ数回の掲載は非常に勉強になります!

当方の本拠からですと、福山までは
約4時間半の道のりです(笑)
広島県は広島市と廿日市市(宮島)の
一部しか探訪出来ていないので
是非とも注力したい県ですねっ!

Re: こんばんわ

祐実総軍三等兵様

いつもありがとうございます。

福山シリーズは1月15日の福山陸軍墓地まで続きますので、ご参考になれば幸いです。
今回のシリーズでは鞆の浦の後山高射砲陣地は外れているので行かれる予定でしたら仰って下さい。

広島は私も集中的に押さえたいのですが、なかなか余裕がなく・・・
一応、今季は春先に呉、江田島、広の再訪を考えています。

祐実総軍三等兵様が紹介された金輪島も行きたいです!
因みに選択肢にはあったのですが、その時は遺構の有無が不明だったので、似島を選択しました。

それにしても相変わらず凄まじい行動力ですね!
脱帽です!!!

No title

お久しぶりです お元気ですか?

ちょっとした情報です。

https://www.city.hirakata.osaka.jp/soshiki/jinken/torokkotennsyadai.html

ちなみに北が丘合同宿舎も解体されました。
発掘調査もあり、小さな倉庫跡のような遺構が
でていました。すぐ埋められてしまい閉鎖的な
調査でした 白いコンクリートのようなものが
でていました。かつては大きな倉庫があったみたいで
昭和50年には団地造成にともない 不発弾が19発と
でたところみたいです。

Re: No title

中宮住民さま

ご無沙汰いたしております。
いつもレアな情報ありがとう御座います!

頂いた情報は先日私も新聞で知りました。
僅かながらでもこの様に遺構が遺されるのはありがたい事です。

合同宿舎の方は全く知りませんでした。
前回のように現説をやって頂けたら間違いなく行ったのですが、残念です。


また何か情報がありましたら、どんな些細な事でも結構なので宜しくお願い致します。
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大阪在住、遂に40代になってしまった男児です。

 明治開国以降、幾多の国難に立ち向かった先人達。
 光輝ある精強・帝國陸海軍が各地に築いた国防・軍事施設、そして祖国の弥栄を願い悠久の大義に生きた殉国の英霊の志に触れるべく訪問した顕彰・慰霊施設を紹介するとともに、戦後歪められた先人達、国軍・軍人の名誉を回復する事を目指し記述しています。

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